- 対象
- 高校生
- スタッフ
- 大学生・専門学生などボランティアスタッフ
- 内容
- 対話型ワークショップ
- 時間
- 90~150 分程度
- 場所
- 兵庫・大阪・京都・和歌山・滋賀の高校等
- 備考
- 主に「進路」や「総合」など授業の枠をいただいています
“親”や”先生”には本音は言いにくい。”友達”にははずかしくてまじめな話なんてできない。
そんな高校生と本音で話し合うことができるのが、少し年上の「先輩」です。
利害関係が少なく、年齢が近い関係性だからこそ、高校生の心に響き、将来に向かって一歩を踏み出すきっかけになります。
このような「ナナメの関係」を最大限活用するために、カタリ場は、「座談会」「先輩の話」「約束」の3つのパートで構成されています。

授業のはじめに、高校生6~10人に対して、1人の大学生スタッフがついて班をつくります。
大学生スタッフは高校生と身近な話や関心事、進路ついての悩みなどを質問していくことで、考え方や価値観を引き出し、「高校生の今」を掘り起こしていきます。
高校生は今の自分を見つめ直すことで、今の自分の感情や考え方を洗い出し、頭の中を整理することが出来ます。
大学生スタッフは高校生を褒めるコミュニケーションを心掛けることで、「自分にも出来るかも」「ちょっとやってみようかな」という意欲を引き出し、高校生の背中を押していきます。
何か行動を起こすきっかけをつくるコミュニケーションのことを「チェッキング」と呼んでいます。
大学生スタッフ数名が、「部活」「進路」「友人関係」などのテーマで、自分のこれまでの体験について紙芝居形式でプレゼンテーションを行います。高校生は興味のある話を選び、聞きに行きます。
内容は、成功体験だけでなく、挫折した体験や高校時代の自分への後悔、大学生活で熱中していることなど様々です。

中学校を卒業するまで、何もかも「何となく」でうまくいってきた。だけど、高校で1年留学に行って、英語を話せないことで初めて挫折を経験した。そんな自分を変えたくて、自分から動いて、努力してみたら毎日がもっと充実し始めた。

いつも成績トップクラスの優等生だったけど、実は、「勉強ができる」という周りからのイメージを守ることに必死で毎日苦しかった。だけど、大学で色んな友達と出会ったことをきっかけに、本当に自分がやりたいことをやるようになって、毎日が楽しくなった。

何かを最後までやり遂げたことがなくて、自分に自信がなかった。頑張って失敗するのが格好悪いと思っていた。だけど、大学生になって、友達の影響でヒッチハイクを始めた。何度も心が折れそうになりながらも最後までやり遂げたことで、初めて自信が持てた。
高校生にとって、少し年上の先輩である大学生スタッフの等身大の体験を聞くことは、”刺激”や”憧れ”になります。
将来を考える際のひとつのサンプルになるとともに、「なりたい自分像」を見つける手がかりにもなります。
授業を通して見えてきた目標や興味関心などを具体的な行動につなげるために、「今からできること」をカードに書き込
みます。先輩と「約束」することで、授業で感じたことを日常生活につなげます。
高校生は自分の将来について考え、なりたい自分像が見えてきた中で、「どうすればなりたい自分になれるのか?」を大学生スタッフと一緒に考えます。
最後に「今からできること」をカードに書き込み、高校生と大学生スタッフは約束を結びます。
目標をたてるだけではなく、先輩と一緒に「約束」を結ぶことで、高校生は自分の将来に向かって、一歩を踏み出していきます。